2022年01月17日 (13:43)
ホウ素粉末で不純物と乱流をダブル抑制【高温プラズマの維持に効果】
核融合科学研究所(土岐市下石町・吉田善章所長)の
増﨑貴教授(54歳・ますざきすぐる)らと、
プリンストンプラズマ物理研究所(米国・PPPL)の
フェデリコ・ネスポリ博士(34歳)らの
国際共同研究グループは、
核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)に、
PPPLで開発された「粉末落下装置」を設置。



プラズマ実験の最中に、ホウ素の粉末を、
プラズマに振り掛けたところ、
LHDにおいてはリアルタイムで、
壁からの不純物を低減させるだけではなく、
プラズマ中の乱流も、抑制できることを発見した。
高温プラズマの安定維持に向けた、
研究成果として発表した。



核融合発電を実現するためには、
プラズマを磁場で閉じ込め、
1億度以上の高温に加熱し、
安定的に維持することが必要。
ところが、LHDの真空容器の壁から発生した、
酸素などの不純物が、プラズマに入ると、
熱が逃げてしまい、温度が下がってしまう。
また、高温のプラズマでは、
大小さまざまな渦を伴った流れ「乱流」が発生。
この乱流が、プラズマをかき乱してしまうため、
温度が下がる、もうひとつの要因になっている。



ホウ素は、酸素を吸着する性質があり、毎回、
実験開始の前には、壁にホウ素の膜を張っていた。
ただ、いったん実験を開始してしまうと、途中で、
新たなホウ素をコーティングすることは、
磁場の関係上、困難だった。
そこで、増﨑貴教授ら国際共同研究グループは、
プラズマの実験中でも、
ホウ素の粉末が振り掛けられる、
粉末落下装置を設置した。



この粉末落下装置は既に、アメリカやドイツなどの
プラズマ実験装置に設置されており、
ホウ素の振り掛けにより、温度が上昇することは、
トカマク型・ヘリカル型を問わず、確認できていた。
今回の実験では、放電中のプラズマに、
約20秒という長い時間、
ホウ素粉末を振り掛け続けたところ、その間、
高い温度が維持されることが、分かったというもの。



核融合科学研究所の増﨑貴教授は、
「ホウ素を振り掛けている間、
プラズマの温度が上昇することは分かったが、
どのようなメカニズムで、
乱流が抑制されているのかについては、研究中。
ホウ素粉末の量についても、単純に、
増やせば良いというわけではない。
今後は、酸素との吸着効果ではなく、
乱流の抑制効果だけを見た場合、
プラズマにホウ素以外の物質を落下させても、
同様の抑制効果が出るのか、
実験を進めていきたい」と語った。



増﨑貴教授(54歳・ますざきすぐる)らと、
プリンストンプラズマ物理研究所(米国・PPPL)の
フェデリコ・ネスポリ博士(34歳)らの
国際共同研究グループは、
核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)に、
PPPLで開発された「粉末落下装置」を設置。



プラズマ実験の最中に、ホウ素の粉末を、
プラズマに振り掛けたところ、
LHDにおいてはリアルタイムで、
壁からの不純物を低減させるだけではなく、
プラズマ中の乱流も、抑制できることを発見した。
高温プラズマの安定維持に向けた、
研究成果として発表した。



核融合発電を実現するためには、
プラズマを磁場で閉じ込め、
1億度以上の高温に加熱し、
安定的に維持することが必要。
ところが、LHDの真空容器の壁から発生した、
酸素などの不純物が、プラズマに入ると、
熱が逃げてしまい、温度が下がってしまう。
また、高温のプラズマでは、
大小さまざまな渦を伴った流れ「乱流」が発生。
この乱流が、プラズマをかき乱してしまうため、
温度が下がる、もうひとつの要因になっている。



ホウ素は、酸素を吸着する性質があり、毎回、
実験開始の前には、壁にホウ素の膜を張っていた。
ただ、いったん実験を開始してしまうと、途中で、
新たなホウ素をコーティングすることは、
磁場の関係上、困難だった。
そこで、増﨑貴教授ら国際共同研究グループは、
プラズマの実験中でも、
ホウ素の粉末が振り掛けられる、
粉末落下装置を設置した。



この粉末落下装置は既に、アメリカやドイツなどの
プラズマ実験装置に設置されており、
ホウ素の振り掛けにより、温度が上昇することは、
トカマク型・ヘリカル型を問わず、確認できていた。
今回の実験では、放電中のプラズマに、
約20秒という長い時間、
ホウ素粉末を振り掛け続けたところ、その間、
高い温度が維持されることが、分かったというもの。



核融合科学研究所の増﨑貴教授は、
「ホウ素を振り掛けている間、
プラズマの温度が上昇することは分かったが、
どのようなメカニズムで、
乱流が抑制されているのかについては、研究中。
ホウ素粉末の量についても、単純に、
増やせば良いというわけではない。
今後は、酸素との吸着効果ではなく、
乱流の抑制効果だけを見た場合、
プラズマにホウ素以外の物質を落下させても、
同様の抑制効果が出るのか、
実験を進めていきたい」と語った。



