2022年04月21日 (17:19)

室町時代の鉄釉四耳壺の完形品を発見【瑞浪市釜戸町の竜吟峡で】

瑞浪市釜戸町の景勝地「竜吟峡」
(竜吟の滝・竜吟の森)の遊歩道から、
室町時代の古瀬戸「鉄釉四耳壺」
(てつゆうしじこ)1点が見付かった。
瑞浪市陶磁資料館(明世町山野内)で、
5月22日(日曜日)まで公開している。
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発見者は、
工藤雅子さん(瑞浪市釜戸町・上の写真右)と、
横山美代江さん(可児市桜ケ丘・上の写真左)。
発掘作業員の2人は、
昨年、令和3(2021)年12月に、
プライベートで散策を楽しんでいたところ、
「筋(すじ)のある陶片」を発見。
瑞浪市教育委員会スポーツ文化課に連絡を入れた。
同課の学芸員が調べると、陶片に見えたのは、
壺(つぼ)の胴体の一部に過ぎず、
掘り出すと、完形品が水平状態で出て来た。
瑞浪市内から、完形品が出土したのは、3例目。
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考古学(日本陶磁史)が専門の井上喜久男さんら、
陶磁器の有識者に鑑定を依頼。
①制作年代は、室町時代の古瀬戸後期
(15世紀前半~中葉)
②生産地は愛知県瀬戸市で、穴窯による焼成。
③肩に4つの耳を持つ「四耳壺」。
④器全体に薄く鉄釉が掛かっている「錆釉」。
⑤成形方法は、紐輪積技法。
⑥高さは38・7センチで、最大径は28・5センチ。
⑦掻目(カキ目)模様が施されている。
⑧窯印(かまじるし)や墨書は無い。
ことが、分かった。
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ただ、出土箇所の周辺には、
住居跡や祠(ほこら)などはなく、
この1点以外、出土品は無い。
壺の中身は土のみで、誰が、何の目的で使い、
なぜ竜吟峡から出土したのかについては、不明。
現段階では、
①銅銭などをためていた壺ではない。
②底に穴が無いため、骨壺(骨つぼ)ではない。
ことから、雨ごいなど、
宗教的な祭祀(さいし)の道具として、
用いられた可能性が高いとのこと。
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問い合わせは、瑞浪市陶磁資料館
(TEL0572─67─2506)まで。
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