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2022年05月19日 (12:50)

高速移動のプラズマ乱流を発見【核融合科学研究所が世界初】

核融合科学研究所(土岐市)の釼持尚輝助教・
居田克巳教授・徳澤季彦准教授らの研究グループは、
核融研の大型ヘリカル装置(LHD)に、
独自に開発した計測機器を設置。
LHD内部の高温プラズマを計測したところ、
熱よりも速く移動する乱流を、
世界で初めて発見したと、発表した。
計測機器の開発には、米国・ウィスコンシン大学
ダニエル・J・デン・ハートッグ教授の協力も得た。
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将来、核融合発電を実現するには、
1億度以上のプラズマを、磁場で閉じ込め、
長時間維持することが必要。
しかし、磁場で閉じ込めた高温プラズマの中では、
プラズマの密度や温度に、不均一性が生じるため、
大小さまざまな渦を伴った流れ、
「乱流」が発生する。
この乱流が、プラズマをかき乱すため、
閉じ込めていたプラズマの熱を、外側へと流し、
温度を下げてしまうことが、問題になっている。
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熱と乱流の関係を解明しようと、
釼持尚輝助教(けんもち)らの研究グループは、
①乱流を計測するための電磁波を発して、
受信する機器。
②温度を計測するための電磁波
(レーザー。①とは別の波長帯)を発して、
受信する機器。
③熱を計測するため、プラズマが発する電磁波
(①・②とは異なる波長帯)を受信する機器。
以上、これら3種類の計測機器を開発。
これまで熱と乱流は、
時速5000キロ(飛行機程度の速度)で、
ほぼ一緒に移動していると、知られていた。
今回、開発した計測機器を用いて実験したところ、
熱よりも8倍速い、時速40000キロ
(ロケット程度の速度)で移動する乱流を、
世界で初めて発見した。
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釼持尚輝助教らは、
「プラズマの乱流は、非常に複雑なため、
全容解明には、いまだ至っていない。
ただ今回の実験で、知られていなかった、
乱流の動きを観測できたことは、
プラズマの温度変化を予知する上で、
重要な発見と言える。
今後行われる、プラズマの温度を、
リアルタイムで制御する手法の開発に、
寄与できたと思う。
また、太陽風やオーロラなど、
自然界のプラズマ乱流現象を、
解明する際にも役立つ」と語った。
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