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2022年09月28日 (18:00)

電磁波による加熱プロセスを実証【核融研と東北大の研究グループ】

核融合科学研究所の居田克巳教授や、
東北大学の加藤雄人教授らの研究グループは、
核融合科学研究所(土岐市下石町)の
大型ヘリカル装置(LHD)を用いて、
「プラズマ粒子」の速度分布
(粒子の数と粒子の速度との関係)を、
従来の50倍の速さ(1秒間に1万回)で計測。
プラズマ内部で発生した「電磁波」が、
そのプラズマ自体を加熱していることを、
世界で初めて観測したと、発表した。
【情報解禁指定=9月28日(水曜日)午後6時】
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核融合発電を実現するには、
高温プラズマの核融合反応で発生した、
「高エネルギー粒子」が、プラズマを加熱し、
さらなる核融合反応を、引き起こすことが必要。
プラズマ自体が「自己加熱」し、
核融合反応を維持していくためには、
高エネルギー粒子が作り出す電磁波で、
プラズマを加熱させる必要があるが、
これまでは、プラズマ内部で発生した、
電磁波による加熱プロセス(過程・経過)を、
直接的に計測する方法は無かった。
02-IMG_0020.jpg
居田克巳教授ら研究グループは、
高エネルギー粒子を模した、
「高速粒子ビーム」を使用。
自己加熱の模擬実験を行い、
新たに開発した計測システムで、
電磁波の発生に伴う、高速粒子ビームと、
プラズマ粒子の反応を調べた。
03-IMG_1422.jpg
実験の結果、プラズマ内部で電磁波が発生すると、
高速粒子ビームが減速すると同時に、
プラズマ粒子が加熱される現象を、
世界で初めて観測した。
これは、電磁波が、
高速粒子ビームの熱(エネルギー)を、
プラズマ粒子へと運んだことを、実証したもの。

居田克巳教授は「核融合発電において、
プラズマの自己加熱を行うには、
高エネルギー粒子をプラズマ粒子に衝突させる、
加熱プロセスだけでは不十分。
今回、プラズマ内部で発生した電磁波が、
そのプラズマ自体を加熱できることを実証した。
これは、ほかのプロセスによる、
自己加熱を研究する上で、
大きな進展と言える」と語った。

【写真提供=核融合科学研究所
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