2023年02月02日 (17:13)
無投票の舞台裏②【2023瑞浪市議選⑨】
瑞浪市議会議員一般選挙(瑞浪市議選)は、
1月29日(日曜日)に、
1選挙区制では初となる、無投票で決着した。
現職で出馬しなかったのは、
舘林辰郎市議と山下千尋市議の2人。
舘林市議は、日本共産党のバトンを、
新人候補に引き継ぐことに成功した。
では、当選1回にして、副議長を務めるなど、
若手のホープの1人と目されていた、
山下千尋市議(釜戸町・40歳・ちひろ)には、
いったい何があったのか。
◆まず、4年前の選挙に出馬した経緯は、
どのようなものだったか。
◎山下千尋議員
当時市議だった小川祐輝県議(釜戸町)から、
「(自分が)県議選に出馬するため、
釜戸町選出の市議がいなくなる。
市議選に出ないか」という話をもらった。
その際、小川県議からは、
「ただし、市議に当選したら、
保守系会派で活動してほしい」との
条件提示があった。
そのため、当選後、自民党員になった。
◆何か政治的な信条に変化があったのか。
◎山下千尋議員
「当選後、自民党員になり、
市議会では、保守系会派にも所属したが、
どこか自民党といえども、
国と地方は別物だと、思い込んでいた。
そんな中、決定的になったのは、
昨年7月の参議院選挙。
自民党瑞浪支部で、「がんばろう」となった時、
自民党が打ち出した「憲法改正草案」を、
あらためて見直した。
それまでにも、自民党の施策で、
自分の政治信条とは合わない部分を感じていたが、
この「憲法改正草案」を見た時、
自民党の強引な動きが、
日本にとっては良くないと思った。
◆自民党員を辞め、保守系会派を抜ければ、
市議を続けられたのではないか。
◎山下千尋議員
市議選に出た際、「受かったら、
(同じ釜戸町の出身である)市長・県議とともに、
力を合わせて、釜戸町の発展に尽くします」と、
表明していた。
そこで、参議院選挙後、小川県議に対し、
「約束が守れなくなった。
身を引くので、次の候補者を、
釜戸町から探してほしい」と願い出た。
その際、小川県議から「自民党以外で、
市議選に出るつもりはあるのか」と、
問いただされた。
確かに小川県議からは「保守系会派として」と、
言われていただけだったが、
『保守系会派=(イコール)自民党』
というのは周知の事実。
自民党の憲法改正草案が、
自分の政治信条に合わない以上、自民党員として、
政治活動に携わることはできないと、判断した。
◆政治家として、けじめをつけるために、
選挙に出なかったということか。
今回、けじめがついたのなら、
再び政治家を目指す気持ちはあるのか。
◎山下千尋議員
「釜戸町が推す保守系の新人候補がいるのに、
もし今回、自分が『非自民』として出ていたら、
釜戸町で、直接対決になっていた。
それでは筋が通っていないし、
けじめをつけたとは言えない。
ただし、その新人候補が、
1回でも当選した後なら、話は違ってくる」
◆市議選では、公明党や日本共産党などとは違い、
党籍は自民党でも、
「無所属」で出馬する候補者が多い。
市民は、市議会議員の『党派』の別について、
そこまで求めているのか。
釜戸町には、区長会長・歴代の区長会長・
まちづくり推進協議会の会長をはじめ、
市長・県議・市議に係る、
共通の選対関係者らで組織する、
「市議選立候補者選考会」があると聞いている。
選考会との関係はどうだったのか。
◎山下千尋議員
昨年の7月末の選考会において、
「次は出ません」と表明したが、その時はまだ、
政治信条の話はしなかった。
選考会の皆さんは、次の候補者を探したが、
出馬を打診すると、「山下先生がいるので」と、
断られたとのこと。
そこで、釜戸町の全区長の前に呼ばれ、
「自民党の方針と合わないので、
わたしは次の選挙には出ません」と、
明確に表明することになった。
◆区長の中に、「『非自民』でも構わないから、
出馬してくれないか」という人はいなかったのか。
◎山下千尋議員
実際、多くの区長さんから、説得されたし、
「自民党にこだわっているのは、
市長と県議だけ」という話も聞いた。
そんな中、昨年の11月には、
再度、選考会に呼ばれた。
その時には、「現在の自分は、
釜戸町を代表する資格はないと思っている。
ただし、釜戸町の皆さんが、
『非自民でも構わない』とおっしゃるのなら、
(出馬を)考えないこともありません」と話した。
しかし、選考会は、
「非自民は駄目。最悪、釜戸町の市議が、
ゼロになっても仕方がない」との結論だった。
◆今年の元旦に会った際、
出馬への意欲を感じられたが、何があったのか。
◎山下千尋議員
昨年の12月下旬だったが、
このまま釜戸選出の市議が、
ゼロになるのは駄目だろうと、考え出した。
そこで、明けて1月の時点で、
候補者が見付からなかったら、
選考会の推薦が無くても、
自分で出る準備をしようと、
思い直した矢先だった。
ただ、1月5日(日曜日)に、
「選考会が新人候補を決めた」
という話を聞いたので、そうしなかった。
◆けじめをつけたということだが、
今年の瑞浪市は、4月に県議選が、
7月には市長選が予定されている。
出馬する可能性はあるのか。
◎山下千尋議員
まず、小川祐輝県議には、
不出馬の話をするのが遅すぎたことに、
この場を借りて、おわびしたい。
また、わたしは、
小川県議の県政における働きについて、
不満を持っている市民を知らない。
県議選への出馬については、有り得ない。
市長選については、
出馬を勧めてくださる支援者もいるが、
今の自分の能力を見積もれば、
無理だということは、自覚している。
市議会議員については、4年後、
「もう一度、山下を市議会へ」という声を、
上げていただければ、うれしい。
ただそれが無ければ、事実上、
今回の任期をもって、政治家を引退、
ということになるだろう。
1月29日(日曜日)に、
1選挙区制では初となる、無投票で決着した。
現職で出馬しなかったのは、
舘林辰郎市議と山下千尋市議の2人。
舘林市議は、日本共産党のバトンを、
新人候補に引き継ぐことに成功した。
では、当選1回にして、副議長を務めるなど、
若手のホープの1人と目されていた、
山下千尋市議(釜戸町・40歳・ちひろ)には、
いったい何があったのか。
◆まず、4年前の選挙に出馬した経緯は、
どのようなものだったか。
◎山下千尋議員
当時市議だった小川祐輝県議(釜戸町)から、
「(自分が)県議選に出馬するため、
釜戸町選出の市議がいなくなる。
市議選に出ないか」という話をもらった。
その際、小川県議からは、
「ただし、市議に当選したら、
保守系会派で活動してほしい」との
条件提示があった。
そのため、当選後、自民党員になった。
◆何か政治的な信条に変化があったのか。
◎山下千尋議員
「当選後、自民党員になり、
市議会では、保守系会派にも所属したが、
どこか自民党といえども、
国と地方は別物だと、思い込んでいた。
そんな中、決定的になったのは、
昨年7月の参議院選挙。
自民党瑞浪支部で、「がんばろう」となった時、
自民党が打ち出した「憲法改正草案」を、
あらためて見直した。
それまでにも、自民党の施策で、
自分の政治信条とは合わない部分を感じていたが、
この「憲法改正草案」を見た時、
自民党の強引な動きが、
日本にとっては良くないと思った。
◆自民党員を辞め、保守系会派を抜ければ、
市議を続けられたのではないか。
◎山下千尋議員
市議選に出た際、「受かったら、
(同じ釜戸町の出身である)市長・県議とともに、
力を合わせて、釜戸町の発展に尽くします」と、
表明していた。
そこで、参議院選挙後、小川県議に対し、
「約束が守れなくなった。
身を引くので、次の候補者を、
釜戸町から探してほしい」と願い出た。
その際、小川県議から「自民党以外で、
市議選に出るつもりはあるのか」と、
問いただされた。
確かに小川県議からは「保守系会派として」と、
言われていただけだったが、
『保守系会派=(イコール)自民党』
というのは周知の事実。
自民党の憲法改正草案が、
自分の政治信条に合わない以上、自民党員として、
政治活動に携わることはできないと、判断した。
◆政治家として、けじめをつけるために、
選挙に出なかったということか。
今回、けじめがついたのなら、
再び政治家を目指す気持ちはあるのか。
◎山下千尋議員
「釜戸町が推す保守系の新人候補がいるのに、
もし今回、自分が『非自民』として出ていたら、
釜戸町で、直接対決になっていた。
それでは筋が通っていないし、
けじめをつけたとは言えない。
ただし、その新人候補が、
1回でも当選した後なら、話は違ってくる」
◆市議選では、公明党や日本共産党などとは違い、
党籍は自民党でも、
「無所属」で出馬する候補者が多い。
市民は、市議会議員の『党派』の別について、
そこまで求めているのか。
釜戸町には、区長会長・歴代の区長会長・
まちづくり推進協議会の会長をはじめ、
市長・県議・市議に係る、
共通の選対関係者らで組織する、
「市議選立候補者選考会」があると聞いている。
選考会との関係はどうだったのか。
◎山下千尋議員
昨年の7月末の選考会において、
「次は出ません」と表明したが、その時はまだ、
政治信条の話はしなかった。
選考会の皆さんは、次の候補者を探したが、
出馬を打診すると、「山下先生がいるので」と、
断られたとのこと。
そこで、釜戸町の全区長の前に呼ばれ、
「自民党の方針と合わないので、
わたしは次の選挙には出ません」と、
明確に表明することになった。
◆区長の中に、「『非自民』でも構わないから、
出馬してくれないか」という人はいなかったのか。
◎山下千尋議員
実際、多くの区長さんから、説得されたし、
「自民党にこだわっているのは、
市長と県議だけ」という話も聞いた。
そんな中、昨年の11月には、
再度、選考会に呼ばれた。
その時には、「現在の自分は、
釜戸町を代表する資格はないと思っている。
ただし、釜戸町の皆さんが、
『非自民でも構わない』とおっしゃるのなら、
(出馬を)考えないこともありません」と話した。
しかし、選考会は、
「非自民は駄目。最悪、釜戸町の市議が、
ゼロになっても仕方がない」との結論だった。
◆今年の元旦に会った際、
出馬への意欲を感じられたが、何があったのか。
◎山下千尋議員
昨年の12月下旬だったが、
このまま釜戸選出の市議が、
ゼロになるのは駄目だろうと、考え出した。
そこで、明けて1月の時点で、
候補者が見付からなかったら、
選考会の推薦が無くても、
自分で出る準備をしようと、
思い直した矢先だった。
ただ、1月5日(日曜日)に、
「選考会が新人候補を決めた」
という話を聞いたので、そうしなかった。
◆けじめをつけたということだが、
今年の瑞浪市は、4月に県議選が、
7月には市長選が予定されている。
出馬する可能性はあるのか。
◎山下千尋議員
まず、小川祐輝県議には、
不出馬の話をするのが遅すぎたことに、
この場を借りて、おわびしたい。
また、わたしは、
小川県議の県政における働きについて、
不満を持っている市民を知らない。
県議選への出馬については、有り得ない。
市長選については、
出馬を勧めてくださる支援者もいるが、
今の自分の能力を見積もれば、
無理だということは、自覚している。
市議会議員については、4年後、
「もう一度、山下を市議会へ」という声を、
上げていただければ、うれしい。
ただそれが無ければ、事実上、
今回の任期をもって、政治家を引退、
ということになるだろう。
