2023年07月10日 (22:48)

瑞浪市長選挙2023の私的な考察と備忘録

今年、令和5(2023)年は統一地方選挙の年。
瑞浪市では、2月の市議選、4月の県議選ともに
無投票で終わったが、7月の市長選挙は、
5選を目指す水野光二市長に、
山田実三元県議が挑む、一騎打ちになった。

結果は597票差で、水野市長の勝ち。
自身が持つ瑞浪市長歴代最長記録を伸ばした。
水野市長は、市長選の前、記者団に対し、
「1票でも上回れば、勝ちは勝ち」と話していたが、
開票結果を見た水野市長の支援者は、
「わずか300票、向こうに取られていたら、
負けていたということ。勝ったなんて、
恥ずかしくて言えない」と語る。
水野市長はこれまでに、相手は違うが、
2回、市長選を戦ってきており、
1期目は4681票差を、
3期目は8241票差をつけている。
もちろん、有権者数の減少や、
投票率が過去最低を更新したこともあるが、
1000票すら差がつかなかったことは、逆に、
「実ちゃん、やっぱり強かったな」と思われた、
瑞浪市民も多かったはず。
山田元県議は、県議2期目はかなわなかったが、
市議4期、県議1期を務めた実力は本物。
ただ今回で言えば、敗因の1つは、
出馬への準備が足りなかったことだろう。

それで言えば、水野市長も、相手として、
新病院の建設反対などを訴える共産系の候補者を、
想定していたため、山田元県議の出馬は、
予想外であり、戦いにくさがあったと思われる。
報道陣の中にも、山田元県議を知らない記者などは、
新病院の建設の是非を、市長選の争点にしようと、
山田元県議に「建設反対」を言わせようと迫った。
しかし、もともと山田元県議は、
自民党いわゆる保守系の政治家。
わざわざ新病院の建設反対を叫ばなくても、
自分が立候補すれば、反対票の受け皿として、
革新系や共産系の票が、
おのずと入ってくることが分かっていた。
むしろ、反対派だと思われすぎて、
個人的な支持票や保守系票が減ることを避けるため、
「建設ありきではダメ」という、
中庸を得た意見にとどめたというわけだ。

この微妙な駆け引きと立場は、
山田元県議自身にも戦いにくさを生んでおり、
本来なら声高に、水野市長に対し、
多選批判をしてもおかしくない状況だったが、
多選批判というのは程度が難しく、やり過ぎると、
品が無くなり、女性票離れにつながるからだ。
そのため、こちらも「変えよう瑞浪!」程度に、
収めざるを得なかった。

ある瑞浪市議は「山田元県議は、
政治的なブランクが4年あり、政策が古い」と、
批判していたが、果たしてそうか。
駅周辺再開発事業については、
民間主導の駅南地区は外して、
市が行う駅北地区のみを問題に挙げたのは、
水野市長としては、かなり嫌だったはず。
再開発事業については、賛成こそ、
どの市議でもできるが、事業を市民に周知し、
費用対効果を訴えた点は、評価されるべきだろう。
ただ、政治的なブランクや、
保守系の政治家としての影響が出たとすれば、
『大きな夢』を描けなかったことだ。
現職に対抗するには、
事業の見直しや凍結だけではなく、やはり
「自分が市長になったらこれをやる」という、
強い政策を打ち出すべきだった。

面白いのは、市議会議員が、
「高校卒業までの医療費の無償化」や、
「給食費の無償化」などを、
市に求めても、相手にしてもらえないのに、
山田元県議が政策に掲げたことで、
水野市長も同じような政策を、
打ち出さざるを得なくなった点だ。
今後、いろいろな案件は、
市議会議員に頼むよりも、
市長の対立候補に頼んだ方が、
実現するのかもしれない。

市役所および市職員について考察すると、
市職員にとって市長とは、
民間企業の社長に近いものがある。
今回の市長選は、市職員の投票行動が、
大きく影響したことは間違いない。
今の瑞浪市役所を、野球で例えるなら、
市長と副市長のバッテリーは強いが、
プロの一軍として通用するのは、
せいぜいショートとサードのみ。
外野に球が飛ばないように、
ゴロを打たせる施策で、しのぐしかない。
選手を交代させようと、ベンチを見ても、
レギュラーを奪う気概のある職員は少ない。
まして、ファーム(二軍)などは、
将来が有望どころか、故障者リスト入りしたり、
退団したりする若手がいるのが実情だ。
山田元県議が打ち出した施策を見ると、
現状の市役所組織に不満がある、
市職員あるいは元市職員の意向が、
明らかに反映されている。

隣りの土岐市では過去、故・塚本保夫市長が、
6期24年にわたって、市長を務めた。
4年前、水野光二市長は、
「自分が道筋を立て、若い政治家に
バトンタッチする」と述べていた。
実は今回も「自分が道筋を立て、
若い政治家にバトンタッチする」と語っている。
水野市長が4年後、
6期目に出馬することになっても、
誰も驚かない。
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