2015年12月11日 (15:33)
LHDで「亜臨界不安定性」を発見【メカニズムも解明】
核融合科学研究所
(土岐市下石町、竹入康彦所長)は、
九州大学応用力学研究所
(福岡県春日市、大屋裕二所長)と、
共同研究を行い、高温プラズマ中に、
突発的な「揺らぎ」が発生する現象を、
発見した。
また、そのメカニズムも解明。
核融合科学研究所の井戸毅准教授
(44歳、たけし、工学博士)らが、
核融研で、記者発表を行った。






核融合科学研究所では、
核融合発電を実現するため、
大型ヘリカル装置(LHD)を使って、
1億度に及ぶ高温プラズマを、
『閉じ込める実験』を行っている。
【訂正】当初、
「1億度以上の高温プラズマを、」
とありましたが、LHDでは、
まだ1億度を、超えていませんでした。
井戸毅准教授らの研究グループは、
高温プラズマが引き起こす、
さまざまな音波の中で、
閉じ込めに有用と思われる揺らぎ、
『測地線音波』に注目した。



測地線音波の揺らぎを解明するため、
LHD内の高温プラズマに、
金を使った「重イオンビーム」を入射。
出て来たイオンから、
「電位の高低(周波数)」と、
「プラズマの密度の変化」を、計測した。
「周波数」と「振幅」の動きを追ったところ、
同じ測地線音波の中に、
もともと存在している揺らぎと、
それとは別に、
突発的な揺らぎがあることを、突き止めた。



この突発的な揺らぎは、
もともとある揺らぎと、関係があり、
もともとある揺らぎの周波数が、
80キロヘルツ(kHz)に達したときに、
40キロヘルツ(kHz)の揺らぎとして、
現れた。
突発的な揺らぎは、
わずか1000分の1秒にも満たない時間だが、
もともとある揺らぎの2倍、振幅する。






これまでは、
揺らぎの発生メカニズムを説明する際、
イメージとして、
器の中でボールを転がした場合
(安定=揺らぎは成長しない)と、
山の上からボールを転がした場合
(不安定=揺らぎが成長する)のモデルで、
表そうとした。
しかし、これでは、
突発的な揺らぎが発生する仕組み、
『亜臨界不安定性』を、説明できなかった。



そこで、井戸毅准教授らは、山頂部分が、
『カルデラ(凹地)』になったような、
モデルを考案。
このモデルで、ボールを転がした場合、
カルデラ部分にある時は、一定の振幅だが、
その大きさが、あるレベルを超えると、
坂道を転がり落ちるように、
急激な振幅が起きると、結論づけた。



井戸毅准教授は、
「亜臨界不安定性の存在については、
これまでは、理論上のものだった。
今回、LHDで、その存在を実証できた上、
スパコンを使った、シミュレーションでも、
この現象を、再現することができた。
亜臨界不安定性が、プラズマの閉じ込めに、
良い作用となるか・悪い作用となるかは、
これからの研究。
しかし、亜臨界不安定性の解明は、
太陽フレアなどのメカニズムも解く、
指針となるだろう」と語った。
(土岐市下石町、竹入康彦所長)は、
九州大学応用力学研究所
(福岡県春日市、大屋裕二所長)と、
共同研究を行い、高温プラズマ中に、
突発的な「揺らぎ」が発生する現象を、
発見した。
また、そのメカニズムも解明。
核融合科学研究所の井戸毅准教授
(44歳、たけし、工学博士)らが、
核融研で、記者発表を行った。






核融合科学研究所では、
核融合発電を実現するため、
大型ヘリカル装置(LHD)を使って、
1億度に及ぶ高温プラズマを、
『閉じ込める実験』を行っている。
【訂正】当初、
「1億度以上の高温プラズマを、」
とありましたが、LHDでは、
まだ1億度を、超えていませんでした。
井戸毅准教授らの研究グループは、
高温プラズマが引き起こす、
さまざまな音波の中で、
閉じ込めに有用と思われる揺らぎ、
『測地線音波』に注目した。



測地線音波の揺らぎを解明するため、
LHD内の高温プラズマに、
金を使った「重イオンビーム」を入射。
出て来たイオンから、
「電位の高低(周波数)」と、
「プラズマの密度の変化」を、計測した。
「周波数」と「振幅」の動きを追ったところ、
同じ測地線音波の中に、
もともと存在している揺らぎと、
それとは別に、
突発的な揺らぎがあることを、突き止めた。



この突発的な揺らぎは、
もともとある揺らぎと、関係があり、
もともとある揺らぎの周波数が、
80キロヘルツ(kHz)に達したときに、
40キロヘルツ(kHz)の揺らぎとして、
現れた。
突発的な揺らぎは、
わずか1000分の1秒にも満たない時間だが、
もともとある揺らぎの2倍、振幅する。






これまでは、
揺らぎの発生メカニズムを説明する際、
イメージとして、
器の中でボールを転がした場合
(安定=揺らぎは成長しない)と、
山の上からボールを転がした場合
(不安定=揺らぎが成長する)のモデルで、
表そうとした。
しかし、これでは、
突発的な揺らぎが発生する仕組み、
『亜臨界不安定性』を、説明できなかった。



そこで、井戸毅准教授らは、山頂部分が、
『カルデラ(凹地)』になったような、
モデルを考案。
このモデルで、ボールを転がした場合、
カルデラ部分にある時は、一定の振幅だが、
その大きさが、あるレベルを超えると、
坂道を転がり落ちるように、
急激な振幅が起きると、結論づけた。



井戸毅准教授は、
「亜臨界不安定性の存在については、
これまでは、理論上のものだった。
今回、LHDで、その存在を実証できた上、
スパコンを使った、シミュレーションでも、
この現象を、再現することができた。
亜臨界不安定性が、プラズマの閉じ込めに、
良い作用となるか・悪い作用となるかは、
これからの研究。
しかし、亜臨界不安定性の解明は、
太陽フレアなどのメカニズムも解く、
指針となるだろう」と語った。
